2017年2月末の午前。私は失業認定日でハローワークに来ていた。
今回が最後の手続きで、数日後に失業保険が振り込まれて受給終了となる。今後は次の職に就くまで貯金を切り崩して生活せねばならないが、その貯金も2週間後の旅ナンパ(リンク:旅ナンパ九州編1日目<前哨戦 in 鳥取県>)用の10万円しか残っていなかった。
スポンサーリンク
だが、当時の私は今後の食い扶持よりも、旅ナンパを 坊主 で終えることの方が不安だったw
もし全日坊主という結果だったらひどく落ち込んで、就職活動の再開に支障をきたすからだw
とはいえ、半年前に無職になってからというもの、節約のために全く スト っていないのが現状だ。なので、リハビリと称してこの帰り道に 出撃 しようと決めていた。
向かった先は観光地の「ひがし茶屋街」。平日の 昼スト で 即 を狙うなら旅行者(一人旅案件)に出会うのがベター(リンク:金沢ストリートナンパ。~地元子と旅行者を紐解く~)だと感じていたからだ。
ひがし茶屋街に入ると、早速1人の案件がこちらに歩いてきた。
小柄で、顔は「木村佳乃」と「真矢みき」を足して割った感じ。
20代後半に見えるが、化粧ノリが悪いのか近づくにつれ老けて見えた。
年齢不詳感漂う案件。その相手にどう 声かけ すれば良いか考え倦ねていると、そのまま擦れ違ってしまった。
普段の私ならここで「この女性とは縁がなかった」と諦める( 3秒ルール )所だが、擦れ違いざまに目が合っていたので、これを オープナー に話しかけてみることにした。
後を追うと、運良く案件が横断歩道で立ち止まった。スッと横に並び、声かけ。
「こんにちは。風は冷たいけど、陽射しは暖かいですよね。」
「ファッ!?」
「あ、言語は日本語で良かったですか?」
「はいw新潟から来ました。・・・さっき目合いましたよね?w」
「はい、目が合ったんで心惹かれて声かけましたw」
「ファンかw」
なんと、爆 オープン w。「目合いましたよね?」→「合ってません」(スタスタと立ち去る) → (´・ω・`) の流れを予想していただけに、相手から「目が合った」と言われたことに驚いた。同時に、これはチョロいんじゃなイカ?とも思った。
案件はこれからランチで近江町市場に行くところだったので、道中の主計町茶屋街を案内しながら 並行トーク 。
ガイド de 並行トークは久々だったが、今まで幾度もしてきたことなので直ぐに勘を取り戻すことができた。
いい感じに 和み ながら近江町市場に到着し、そのまま立ち食い 連れ出し 。
お互いの自己開示で、案件は言い難そうにしながらも、仕事の内容から暗に 風の民 であることを教えてくれた。
私もお返しに、現在無職のナンパ師だと打ち明けた。
すると早速、「体目的で私に声をかけたの?やだー」とツッコまれたが、その表情は笑顔と好奇心に満ち溢れていた。
私はこの子に打ち明けて正解だったと思いながら、ナンパで体も心もつながりたいのだと答えた。
スポンサーリンク
ナンパ師と風の民は一人旅話に花を咲かせた。案件は、私の前回の旅ナンパ話(リンク:旅ナンパ中国四国編1~3日目<鳥取県~岡山県~愛媛県>)に熱心に耳を傾け、次に控える九州旅には自身の体験談とオススメの場所を教えてくれた。
そして、
「いーなー私も男だったら旅ナンパしたいなー。」
「女ナンパ師やれば?w」
「でも仕事柄、女の子の日しか旅しないからなーw」
「へぇ。じゃあ、奢らせるけどヤらせないっていうのはどう?」
「なるほどね!」
という会話が生まれたのだが、ここで案件が現在 リーセ だと判明してしまったw
脳裏に浮かぶ 放流 の2文字。しかし、風の民(それも、ナンパに肯定的な――)が新鮮だったのと、案件が帰るまでまだ4時間もあることから、もう少し後で、
- 放流か
- 準即 狙いの 番ゲ か
- 無料でオシゴトしてもらうか
の判断をすることにした。
「次は画廊に回る予定だったよね。案内するよ。」
2軒目はギャラリー連れ出し。
しかし、こぢんまりとした所だったのですぐに見終えてしまった。
外に出て、すかさず次の手。
「そういえば車で行きたいところある?近くに止めてあるんだけど。」
「そうなんだ?じゃあ醤油蔵にも行けるの?」
醤油蔵とは大野町一帯のことで、中心地から車で15分程のところにある観光スポットだ。
「もちろん。ドライブしながら行こうか。」
「いいのっ!?少し離れた場所だったから諦めてたの!」
パッと弾ける案件の笑顔。その屈託なさは今日の澄んだ空のようだった。
駐車場に向かう狭い道を寄り添って歩く2人。
日陰に入ると、案件は「まだまだ寒ーい!」と叫んで私のコートのポケットに左手を忍ばせてきた。
まるで恋人かのような触れ合いに一瞬心が温まったが、そのポケットにICレコーダーが入ってるのを思い出し一気に背筋が凍りついた。
雑音が混じったりボタンに触れられたりしても困る。
「金沢に知っている人いないんでしょ?それなら――。」と、案件の左手を取り自分の右腕に絡ませた。
「ふふふ!腕組むなんて久しぶり過ぎて忘れてたw」
そう言って私の右腕を揺さぶり、ギュッと抱きしめた。
そして私を見上げ、こう言った。
「私ね、地元じゃこうして腕組んでデートできないの。悪女で通ってるからw」
そう。これはデートだった。
2人は時間を忘れて大野町を巡った。
そして、気がつけば残り1時間になっていた。
案件を安心させるために早めに高速バス乗り場に戻ると、残り45分となった。
今は乗り場付近の車内でアダルトトークをしているが、カラッとした雰囲気で ギラ つくには急で不自然だ。それに、今このリーセ案件を 仕上げ たとしても” LH インは必須”なので結局時間切れとなる。
私は、案件がリーセで即の芽が潰えたとはいえ、デートに耽り即への執着が薄れてしまっていたこと(即への導線作り、時間配分、ムード作り)に自分の未熟さを感じていた。
健全解散 に向けてトークは続く。
・・・と思いきや、突如として転機が訪れた。
「お仕事でのプレイは割り切って楽しめるんだけど、プライベートだと恥じらいが出ちゃってどこまで純粋に楽しめるかはわかんない。」
「プライベートではしてないの?」
「最近ずっとご無沙汰。」
「なら、その”恥じらい”を今から見せてよ。お仕事との違いを確かめようよ。」
咄嗟に口を衝いたH打診。曖昧な表現でどう伝わったかは不明だが、勢いで助手席に身を乗り出したことで図らずも案件と間近で見つめ合う形になった。
「まずはキスから。」
雰囲気を出して攻める。どんな結末になるかはわからないが、この際ギリギリまで詰めてみよう。
急な選択を迫られた案件は、
「えwちょっと待って今ここで!?」
と焦りつつも、
「新潟まで送ってくれるならいいですよw」
と返した。
どういう意味だろう?遠まわしな グダ なのかな?と一瞬固まったが、高速で3時間半の道のりなど車で旅ナンパしている私には全然苦じゃないので、「じゃあ送るよw」と返した。
案件は「えぇえええ!?本当にっ!?」と言いつつも、その反応に拒絶がなかったのでもしやと思い、
「実はちょっと迷ってる?」
と訊くと、
「ちょっと迷ってるw」
と返ってきた。
流れ変わったな。
↓その時のリアルなやりとり。
「何時までに帰らなきゃいけないんだっけ?」
「猫に餌あげたいから今日中には帰らなきゃ。」
事後に新潟に送る体で話を進める。
「わかった。じゃあ高速バスキャンセルしよっか。」
「うん。」
というわけで急いで車を走らせ、急転直下の LH イン!
「やだー!恥ずかしー!」
私が燃え尽き朽ち果て、部屋に静寂が訪れると、2人でクスクスと笑いあった。
スポンサーリンク
あなたの支援が私の活動を支えています。↓画像タップでエールをお願い致します。
↓ブログ村ランキング(タップのみ。※無料)