偶然の初即~ナンパ師になったきっかけ・後編~

この記事は、

偶然の初即~ナンパ師になったきっかけ・前編~

の続きです。

コンビニのレジ袋をひっさげ、ホテルの客室に入る。

すると女性はいきなり、

「リラックスしていい?」

と訊いてきた。私は、「え?あ、もちろん。」と答えながら、敢えて同意を求められたことに緊張した。

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女性がバスルームでルームウェアに着替えている間、レースカーテン越しに外を見ると金沢駅を一望できた。

何だか自分も旅行者になった気分だ。

夜景が見えるように窓際にテーブルをセットし、コンビニで買った缶ビールを置いていると女性が半袖短パンの姿で現れた。

そして、テーブル用の椅子に座らずベッドに腰掛ける私の真横に座った

太腿と肩が触れ合う。

そのまま缶ビールをプシュり、再び乾杯。

私はグラスに注がれたビールを一気に飲み干しながら、これはワンナイトラブの「脈アリ」だと判断した。

そして、

今2人は気が合うからここにいるんだよね。」

と私なりに口説き始めると、

「相性かぁ。血液型は?」

と返された。今さら血液型相性診断でも始めるつもりかと疑問に思いながら、

O型だけど。」

と答えると、

「あは!夫と同じだ。」

と返ってきた。

「え?」

夫がいるだなんて初耳だった。別に詮索する気もなかったが、既婚をほのめかす発言もなかったので全然分からなかった。結婚指輪もしていないので尚更だ。

彼女がなぜこのタイミングでカミングアウトしたのかは謎だが、私はこれを「親密さの証」だと受け取ることにした。

「結婚していたんだね。」

「うん、2年前にね。今は専業主婦なの。」

「旦那さんはどんな人?」

「えっとねぇ。」

そう言って女性は私の肩にもたれ掛かり、スマホを私の前に差し出して画面をスワイプしだした。

夫との仲睦なかむつまじいツーショット画像が次々と私の前を通り過ぎる。

夫は真面目な好青年といった印象だった。高学歴のエリートで現在公職に就く新進気鋭の大物らしい。夫が掲載された記事のスクラップも画像で見せてくれた。

「へぇ、すごい。どこでそんな人と出会ったの?」

「父の紹介なの。」

と、今度は父の記事のスクラップ画像も見せてくれた。彼女の父は代々続く企業の社長だった。

「結ばれて何よりだ。でもさっきのツーショットは最近のものじゃないよね?」

画像の中の彼女は今より少し若かった。

「うん。さっきのは出会いたての頃。」

「結婚後のはないの?」

「うん。殆どないの。」

そう答えた彼女は、結婚後の夫婦関係を訥々とつとつと語ってくれた。

  • 結婚後、夫の性格は豹変し些細なことで怒り暴力を振るうようになった
  • 妊娠後、暴力はエスカレートし流産となってしまった
  • そのショックで引きこもり始めた。
  • それを見かねた祖父母が旅行をプレゼントしてくれて、今ここにいる。

それを聞いて私は、今後離婚も難しいだろうなと感じた。なぜならこれは「政略結婚」だからだ。夫に離婚歴はつけられないし、それどころか再び子供も期待されるだろう。

「私ね、許せないの。」

夫に向けられた言葉だろう。女性はうつむき、唇を噛み締めたまま押し黙ってしまった。

こういう時は何て言えば良いのだろう。お互いの境遇が違い過ぎてどうして良いのかわからない。何も言わずに肩でも抱けばいいのだろうか。

結局、私も黙るしかなかった。
金沢都ホテルの客室
金沢都ホテルでの深夜の攻防。まさかこんな重い雰囲気になるとは。。

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長い沈黙を嫌い、私は「ちょっとトイレ。」と言ってバスルームに駆け込んだ。

洗面台の鏡で自分と見つめ合うと、落ち着いて現在の状況と自分の心境に向き合うことができた。

社長令嬢だとか政略結婚だとかDVだとか流産だとか―――。正直、いきなりこんな話を聞かされても受け止めようがない。

なので私は、ワンナイトラブさえ果たせればそれで良いと開き直ることにした。

では、一体どうすれば?夫を悪者にしたところで体を許してくれるのか?・・・わからない。

結局そのまま部屋に戻っても何もできず、深夜3時を回ったこともあり、寝ることになった。

歯磨きだけ済まして同じベッドに入り、消灯。どさくさに紛れてボディタッチを試みると抵抗がなかったのでキスも試みる。するとそれは避けられ、女性は私にしがみついてきた。

これがどういう意図なのかは分からないが、ボクシングのクリンチの状態になって私は身動きがとれず、そのまま2人とも眠ってしまった。

ガタ

ガタガタ

ガタガタガタ・・・!

 

ん?地震か?

・・・良かった。収まった。

ガタ

ガタガタ

ガタガタガタ・・・!

 

まただ・・・!

てかこの揺れ、「下からというより横から」じゃね?と思い薄目を開けると、女性が発作を起こして震えていた

そしてまた収まると、私は「だっ、大丈夫?薬ある?」とビビりながら訊いた。

すると女性は憎悪に満ちた表情でこう言った。

「私ね、許せないの。」

どうしよう(´;ω;`)

女性はモソッと起き上がり、放心中の私をよそに化粧台にあるポーチから何かを取り出すと、水と一緒に飲んだ。

それからは何事もなく寝静まり、朝5時。半開きのままだったカーテンのせいで部屋が一気に明るくなり、私は目覚めた。

私は女性の体をさすり、たまに胸を触るなどしていると女性も目を覚まし、こっちの一物イチモツに触れてきた

そこから、ようやく始まった。

相変わらずキスは拒否られるものの、”こと“は順調に運んだ。

そしていざ”繋がる”段になって、私はあることに気づいた。

本番に使うアレ・・がない・・・。

そう。まさか私が本当にワンナイトラブできるとは思ってもいなかったのだ。

しかし、この問題は杞憂きゆうとなった。彼女の方が生の私を求めてきたのだ。

私が上から被さるように繋がりリズム良く腰を動かすと、昨晩から呑んだビールが汗となって噴き出してきた。

フィニッシュに向けて動きを速めると、それに比例して彼女の声も大きくなる。

そろそろ限界というところで彼女は下から両手を伸ばし、私のうなじに回した。

そして哀願の面持ちでこう言った。

「私ね、許せないの。」

は?このに及んでまたかよ、と私は萎えかけた。

しかし、彼女の口は続けて動いた。

「だから―――

と。

私は彼女が何を伝えたかったのかが分かった

ドクンと心臓が高鳴り、カチッと脳にスイッチが入った。私の動きが限界まで加速する。

「・・・ックゥーーーッ!!」

私がそう叫んだあと、部屋に静けさが訪れた。

くうに舞ったちりが窓から差し込む光でチラチラと輝き、彼女の上に飛び散った白い飛沫しぶきがテラテラとしていた。

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その後2人はピロートークをしていた。

彼女はいつの間にか関西弁で話すようになり、私のジョークに「あかんやん~!」などとツッコミをいれてくれた。

この平和な時間にいつまでも浸っていたかったが、残念ながら私は今日から仕事だった。

そしてその準備をしていると、彼女はベッドの上で女の子座りをして俯いたまま、

「行かないで!」

と叫んだ。

私は心底嬉しかったが、それには応えられなかった。

私は彼女の前に両膝をついて向き合い顎をクイと持ち上げると、彼女はそっと目を閉じた。

最後の最後でキスをして、私達はお別れをした。

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仕事を終えて家に着いてもまだこの余韻は残っていた。

また、ナンパでしか味わえない出会いがあることをこの歳アラフォーで知ってしまった。

私は有頂天になり、果たして世の中に「ワンナイトラブ」を決めた人がどれほどいるのだろうか、とPCで調べ始めた。

すると目に飛び込んできたのはナンパ師達のブログだった。

案件 」、「 」、「 メンテ 」など聞き慣れないワードを調べながら読み進める。

そこには彼らと女性達が織り成す様々なエピソードが綴られていた。

目眩めくるめくナンパの世界。それを水を得たうおのようにむさぼり読む。

スクロールが止まらない。

「マジかよ・・・。こんなにたくさんの一期一会があるなんて。よし、私ももっと多くの女性と出会おう

こうして私はナンパ師になったのだった。

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2 件のコメント

  • ガンバボーイさん!コメントありがとうございます(*´▽`*)
    しょっぱなから刺激的過ぎました。。。でもそれ故にナンパに魅了されました笑。
    彼女のことはたまに思い出します。月並みな表現ですが、元気でいてくれたらいいなと思います。

  • 更新待ってました!
    読み応えありすぎて励起しそうでした!

    それにしても凄い出会いですね。。。
    彼女のそれからが気になります。笑