この記事は、
の続きです。
22時。片町本通りを歩いていると、黒Tシャツに黒スラックスという身なりの若いソロ案件が正面から歩いてきた。
↑イメージ。
すかさず フロントアプローチ 。
「すみません。この時間に全身真っ黒な姿でいるなんて・・・。」
「・・・?」
「忍者の方、ですよね?」
「w 違いますw」
笑顔を作りながら擦れ違おうとする案件。それに追い縋るようにして 並行トーク 。
「台風に飛ばされて来たんですけど、ここがどこだか分からなくて。」
「w どこから来たんですか?」
「金沢。君は地元の人?」
「はい。」
「良かった。地元の女性と思い出を作って帰りたいなと思っていたんです。」
「そうなんですか。残念ですけど私今から彼氏と会うんです。」
表情を崩さず朗らかに話す彼女。だが、言葉に感情がこもっておらず、体よくあしらおうとしているようだ。
「なら、それまで仲良くなろうよ。」
「え、てか、おじさ・・・お兄さん何歳ですか?」
「39。」
地味に1歳だけサバを読んだ。案件が18~19歳位に見えたため、30代に留めておきたかったのだ。
「お母さんと同じ歳だ!w」
「マジかよ!w お母さんも呼んでよw」
「無理w てか、片町なら私より可愛い人たくさんいますよ。」
「えぇっ!?それなら最初から言ってよw」
そう。2人はもう福井片町の端まで来ていた。
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「てかさ。君は自分の容姿に自信あるんだね。」
「なんでですか?」
「実は今まで何人かに声をかけてきたんだけど、『私より可愛い人』いますよって断られたのは初めてだから。皆、『私より良い人』って言う。」
案件は一瞬真顔になり、クリッとした目で私の瞳の奥を見つめた。
「いや、むしろそこが響いて。せっかくだから君のモテエピソードを私の土産話にさせてよ。」
「モテエピソード?何だろう・・・最近だと、バイトの接客中にお客さんがチップをくれたことかな。」
「なるほど。男には困らなそうだなw」
「いや、そうでもないです。彼氏の束縛がひどい。」
「何それ。モテの副作用?w」
冗談めかして返すと、案件は急に立ち止まった。
大きな交差点の一角。どうやらここに彼氏が車で迎えにくるようだ。
案件が愚痴を零し始める。
遊び盛りの彼女。しかし、ここ1年間彼氏以外と遊んではいない。ところが、彼氏自身は最近密かに元カノと会っていることがわかり、モヤモヤしている。
「ひどくないですかっ!?」
案件の心情の吐露や感情の昂りから、 ラポール は築けているようだ。
この時点で 声かけ から30分が経過している。案件はたまにスマホをいじっているが、まだ彼氏が到着する気配はない。
「結婚願望はあるの?」
「うん。25歳までにできたらいいな。」
案件はこの土地で早く子供を育てたいのだそうだ。
SNSを駆使すれば多くの出会いが手に入る今の時代に、若くして地に足ついた望みを持つ彼女が私には”一途”に思え、心が洗われる気がした。
と同時に、その”一途”を少し奪いたくもなった。
H クロージング へと舵を切る。
「それなら、若いうちに遊ばなきゃね!せっかくの夏だし!」
「うん、マヂでそう思う!」
あれ?予想外に強い同意が返ってきた。・・・もしかして、いきなり仕上がった??
・・・そっか。案件は結婚には一途だが、その分今は遊びたいので貞操観念が低いのだ(これなら彼氏が束縛するのも分かる気がする)。
試しに両手をゆっくりと腰に回したが抵抗はない。ゆったりしたTシャツで分からなかったがウエストは細かった。
周囲に人通りは少なく、近くの物陰にいざなえれば”野外即”を決められそうだ。
だが、私は LH でまったりと”方言ピロートーク”をしたい。
なので、「今から君と2人きりでゆっくりと過ごしたいんだ。」とLH打診。
しかし、「ううん。」と首を横に振られた。
10分ほど粘るも崩せず、
「じゃあ、また来るから次ね。」
と準即に切り替え Lゲ 打診 すると、
「スマホをチェックされてるから連絡先は教えられないの。」
と断られた。
それなら、と物陰に手を引こうとした矢先、走行音が近づいて来た。
「着いたみたい。」
「そっか。ありがと。それじゃあね。」
案件が私の手を離れ、早足で交差点の角を曲がって行く。私はその背中を見送りながら、
「束縛魔の勝ち、か。」
と小さく呟いた。
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23時。19時半頃に福井駅でLゲしていた案件のことを思い出したが、今誘っても手遅れだろう。それに、集中力も切れてしまった。
今日はもう帰ろう。難関とされる福井で 連れ出し もできたし、今回の反省を生かせば次こそ 即 れるはずだ。
車に乗り込み、国道8号線をひたすら走る。道中、ICレコーダーで今日のストを振り返ろうとしたが台風の雨風で壊れないよう持ち歩かなかったため、記憶を思い起こす。
そういえば、路上連れ出しした案件は私のことを「おじさん」と呼びかけた。
休止以前はそう呼ばれたことはなかった。この2年間で私が著しく老化したのであれば、今後 最年少クラス の ゲット は難しくなるだろう。
となれば、今がラストチャンス。
だから次の福井遠征では、
- 積極的に最年少クラスの
- 即を狙う(旅ナンパは即が基本なので)
ことにした。
しかし―――。
今回のチャンスを逃し、制約まで課したことが悪夢の始まりだった。
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