※この記事には前編があります。
前回のハイライト。
無職でハローワーク帰りの錬は、観光地の「ひがし茶屋街」で旅行者相手に 昼スト を始める。そして、新潟から来た 案件 に 声かけ し、 和み 、 連れ出し 。
即 は難しくても”テクニックを堪能したい”下心からガイドを続け、 ラポール を構築する。しかし、気付けばデートさながらの時を過ごし、目的を忘れたまま解散の時間を迎えてしまう。
別れ際に玉砕覚悟のH 打診 。すると、「新潟まで送ってくれるなら。」とOKが出て「即」。あとは案件を送り届けるだけとなった。
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22時。金沢市から新潟市まで、サービスエリアで仮眠しながら深夜の高速をドライブ。
片道3時間半。高速に乗り始めの頃はテンションが高かった2人も、到着する頃には疲れで無言にw
「猫アレルギーが無いなら、ウチに泊まっていけばいいよ。」
「そうするw」
で、案件宅の近くのコンビニでお酒を買って、 ヨネスケ 。
そして、( *・∀・)っUUo(´▽`*)<カンパーイ!
ニャンニャン達にも餌をやり、一緒に戯れる。
「みんな懐いてくれてる(´▽`)」
「ふふ、きっとそれ飼い主に似て猫かぶってるだけだからw」
「そーなんw」
お酒を呑んだあとはさすがに何もする気が起きず2人はシングルベッドへ直行。そのまま泥のように眠った。
・・・はずだった。
ドスッ!
「ウッ!?」
ボスッ!
「オゥフッ!」
(何だ・・・?)
爆睡しているはずなのに、なぜかお腹に「セントーン」を浴び続ける夢を見る。
真上からグッと圧されるような・・・いや、殴られている感じか?現実に刺激がある。
とにかく、これは夢ではない。
ドスッ!
「ゥグッ!」
(まただ・・・!)
一体、何が起こっているんだ?恐る恐る瞼を開くと―――。
「ファッ!?」
ボフッ!
「・・・グフッ。」(K.O)
彼奴は私が起きたのがわかると悠然と去っていった。
辺りに静けさが戻ると案件の穏やかな寝息だけとなる。
顔を隣に向けると、案件も仰向けからこっちに寝返りを打った。
それを見て私は安堵し、また、期待する。(このままこっち向きで寝てくれますように)、と―――。
これは推測なのだが、ちゃんと案件を魅了できていれば、こっち向きで寄り添って寝てくれるのだ。逆に、魅了不足だと外方を向いていたり離れていたりする。
カーテンの隙間から差し込む月明かりが彼女の寝顔を仄かに照らす。
そこには、出会い頭に見えた鱗粉の欠片もない、自然に輝く素顔があった。
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2日目。昼までまったりと案件宅で過ごす。
地元飯をご馳走になってから、
車で万代シティへ。
ここで案件は所用のため一旦離れる。その後合流し2人でナンパスポット探しw万代シティパークから辺りを見渡し、「新潟ALTA前とか良さそうだね。」などと話をする。
そして近くのカフェに移動し、万代周辺の LH や、
もう1つの繁華街、古町周辺の LH 情報を共有。
ホテルへの導線や ゲット からの逆算を2人で模索していると、次第に日が暮れてきた。
(そろそろ帰らなきゃだな。)
そう思い始めたころ、ある重大なことを思い出してハッとなった。
まだ案件のテクニックを堪能していない!とw
昨日は案件の”恥じらい”が強くてノーマルだった。
「どうしたの?急にそんな表情して。」
「いや、君のお手前を堪能できないまま帰るのが名残惜しくなっちゃってw」
「なら、もう1日泊まってく?私明日まで休みだし。」
「マジで!?そうすっか!」
そうと決まれば、酒、酒、酒。
2人は新潟駅構内にある「ぽんしゅ館」の「唎き酒番所」に移動し、試飲機で地酒の呑み比べ。
狭いスタンドテーブルに身を寄せて陣取り、100種を超える銘柄の中から気になるものを次々と呑む。
ひとしきり品評し終えると、案件はスマホをいじりだし、出てきた画面を私に見せた。
「これ私。」
「自分から晒していくスタイルw」
「それで、これがランキング。」
「おお~。やるやんw」
案件は4桁いるメンツの中で2桁にランクインしていた。
「すごいでしょ。」
「ランキングとか気にするんだね。」
「仕事としてやる以上はね。・・・でさ、これは何?」
そう言うと案件は私のコートのポケットにシュッと手を入れた。
「えっ?あっ!」
この時脳裏に浮かんだのはICレコーダーの存在だ。昨日、偶然ポケットに入れてきたその手をすぐに振りほどいた記憶がある。
気にしていたのか?
そして、取り出された手に握られていたのは―――。
コンドームだった。
案件は反対側のポケットに手を入れていた。
なぜ急にこんなことをしたのかはわからない。真意を読み取ろうにも双方ベロベロで無理だ。
ただ、本気なら昨晩に追求できたはずだ。
「それはお守りだよ。大事なのものでしょ?」
「うんw」
案件はそれ以上ツッコんでこなかった。
「結構酔ったね。そろそろ何か食べようか。」
「他にも良い店知ってるよ(´▽`)ノ」
そして近くの居酒屋へ。そこで今夜の寝床について話す。
「私ずっと泊まってみたいホテルがあって。」
「だけど、猫達の餌は?」
「多めにあげてきたから大丈夫。」
「OK。なら行こう。」
向かった先は「ドーミーイン新潟(ビジネスホテル)」。吹き抜けの館内と市内を一望できる最上階の露天風呂が特徴で、解放感を味わえる。
サウナで体を芯から温めたあと、部屋で”ランカー”のテクニックを堪能し、 ちんちんかもかも 。
力尽きてそのまま就寝。
翌朝。
案件は夜から仕事なので、チェックアウト後すぐに家まで送る。道中の車内ではお互い言葉少なだったが、強い ラポール を感じる居心地の良い空間だった。
ただ、 キープ 化までは考えていなかった。
他のキープほどの相性は感じなかったし、新規を増やせるほどのお金も時間もなかった。
なので、次会う話は切り出さなかった。
家の前まで到着し、自分もそろそろ帰る旨を伝えると、「ハイ、これ。」と帰りの高速代を差し出してくれた。
正直ここまでしてくれるとは思わなかった。なぜなら、2日目以降は全て案件の奢りだからだ。
彼女の出費は3万円を超えるはずだ。それでもここまでしてくれるのはきっと初日のデートへの感謝の表れなのだろう。
「ありがとう。」
私は素直な気持ちを伝え、受け取った。
「またね。」
「ああ、またね。」
「”またね”だよ?ほんとに。」
「もちろん。」
なぜ、「またね」を念押ししたのかはわからない。私の反応を伺ったのかもしれないし、ただ単にポジティブなお別れにしたかったのかもしれない。
何にせよ、私はそれ以上何も言えなかった。
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金沢への帰路。
ハローワークを往復するだけの日でも、ストリートナンパがあると非日常に寄り道させてくれる。その中で、他者の物語の登場人物になれる。
やっぱ ストナン は最高だな~なんて思いに耽っていると、着信が。
案件からだ。
別れてからまだ数分しか経っていない。忘れ物でもしたかな?と思って電話に出ると、
「未開封の日本酒余っているんだけど、取りに来れない?」
早速かよ!w
帰路の途中、案件がオススメしていたお店で昼食を摂り、
夕方、無事自宅に到着。玄関の戸を開ければまた日常が私を包むだろう。
それでも私は君と過ごした日々を忘れることはない。
私はこの記憶に、”素顔が可愛い彼女”という名前を付けて保存した。
(了)
■あとがき■
今回、金沢を離れてからは案件の全奢りでしたが、これは私が先に自分の価値(地元ガイド)を提供することで、それに応えてくれたのだと分析します。なので、巷で繰り返される「奢り奢られ論争」的駆け引きは存在しませんでした。
おまけ。「帰らぬ息子を案ずる両親」
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