私は不貞腐れていた。膝の関節炎を発症し春のナンパシーズンを逃したからだ。
それだけではない。思いの外治りが悪く、富山遠征時に Lゲ した 案件 との アポ も流れてしまった。
体が丈夫なのが取り柄だっただけに、余計に骨身にこたえた。(全く歳は取りたくないものだ。)
ナンパどころか日常生活すらままならない。そんな日が続いた。
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5月に入り、徐々に快方に向かう中、今度は「まん延防止」が始まった。
これでは誰も街を出歩かず、家に引きこもるしかない。
スト れないストレスを紛らわせるため、ゲーミングPCのパーツをネットで買い漁り、組み立てた。
しかし、肝心のゲームをする前に飽きてしまった。
手持ち無沙汰になったので、今度は久しぶりに自室の大掃除。
すると、押入れからプレステ3が出てきた。
これはナンパを始める前までの愛用品で、故障を機に片付けていたはずだ。
なぜか今の私はこの“不用品“を直して使いたくなった。
故障の症状について調べてみると、どうやら自力で直す方法もあるようだ。
「自分でやってみるか。」
すると、無事に動作した。
・・・しかし、またもここで飽きてしまった。
私は一体何をしたいのだろう。ゲームではないのか。
いや、ゲームだ。ナンパという現実のゲーム。
運命の人のハートを射抜くまで、己という武器を磨き集大成で臨む「Real Pickup Game」。
集大成だから、PCの組み立てもプレステ3の修理も貴重な経験値になる。
(むしろ、こういうマイナーな経験で案件とつながれた時ほど人生の伏線を回収した気分になる。例えば、私は「ときメモ」の主題歌を“そら“で歌えるのだが、なぜか案件もそれができて一緒に歌いながら夜の街を歩いたことがあるw「このために覚えたのかっ?」と思いながらw)
・・・しかし、結局はわからない。ナンパだって急に飽きるのかもしれない。
まぁその方が賢明だろう。私はもうストリートナンパ師としての旬を過ぎている。
「これで良し、と。」
色々思い巡らせながらプレステ3を拭き上げているうちにピカピカになっていた。汚れて見えるのは映り込む自分の顔だけ。
これは親戚の子に譲ることにした。最近レトロゲームをやり始めたらしい。
箱に戻す間際。
「ほら、行ってこいよ。まだ楽しませられるだろ?」
かつての愛用品に惜別の言葉を投げる。
すると、プレステ3はこう答えた。
「お前もな。ジャンクのままでは、終われないだろ?」
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下記のあなたのご支援が私の活動を支えています。これからも風来のナンパ師「錬」を宜しくお願いします!
楽しみにしてるよ